Gitの仕組み - バージョン管理の内部構造

15分 で読める | 2025.12.08

公式ドキュメント

この記事の要点

• Gitは4種類のオブジェクト(blob・tree・commit・tag)でデータを管理する
• ブランチは単なるコミットへのポインタであり、データコピーは発生しない
• SHA-1ハッシュにより同一内容の重複を効率的に排除する

Gitの基本概念

Gitは分散型バージョン管理システムです。各開発者がリポジトリの完全なコピーを持ち、オフラインでも作業できます。

Gitの特徴: スナップショット方式でファイルを管理し、差分ではなく状態全体を記録します。

Gitオブジェクトの種類

Gitは4種類のオブジェクトでデータを管理します:

1. Blob(Binary Large Object)

ファイルの内容を格納するオブジェクトです。ファイル名は含まず、純粋なデータのみを保持します。

# blobオブジェクトの確認
git cat-file -p <blob-hash>

2. Tree

ディレクトリ構造を表すオブジェクトです。blobや他のtreeへの参照とファイル名を持ちます。

3. Commit

スナップショットを記録するオブジェクトです:

  • トップレベルのtreeへの参照
  • 親コミットへの参照
  • 作者・コミッター情報
  • コミットメッセージ

4. Tag

特定のコミットに名前を付けるオブジェクトです。リリースバージョンの管理に使用されます。

SHA-1ハッシュ

全てのオブジェクトはSHA-1ハッシュで識別されます。同じ内容なら同じハッシュになるため、重複データを効率的に排除できます。

# オブジェクトのハッシュを確認
git hash-object README.md

# コミットハッシュの確認
git log --oneline

ブランチの仕組み

ブランチは単なる「コミットへのポインタ」です。新しいブランチを作成しても、ポインタが1つ増えるだけで、データのコピーは発生しません

# ブランチの実体(.git/refs/heads/main)
cat .git/refs/heads/main
# → コミットハッシュが表示される

HEADとは: 現在チェックアウトしているブランチを指すポインタです。.git/HEADファイルに記録されています。

実践メモ: git reflogコマンドを使えば、HEADの移動履歴を確認できます。誤ってブランチを削除した場合でも、reflogからコミットを復元できます。

マージの種類

Fast-forward マージ

分岐がない場合、ポインタを単純に進めるだけで完了します。

3-way マージ

分岐がある場合、共通の祖先と両方のブランチを比較して新しいマージコミットを作成します。

ポイント: Fast-forwardマージはコミット履歴が一直線になりますが、3-wayマージではマージコミットが作成されます。--no-ffオプションで常にマージコミットを作成することも可能です。

注意: git reset --hardgit push --forceは履歴を書き換える危険な操作です。チーム開発では十分注意して使用してください。

まとめ

Gitは、blob・tree・commit・tagの4種類のオブジェクトとSHA-1ハッシュを使って、効率的かつ信頼性の高いバージョン管理を実現しています(Git 2.29以降はSHA-256にも対応)。ブランチがポインタに過ぎないことを理解すると、Gitの操作がより直感的になります

参考リソース

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